むらさきのスカートの女|今村夏子
bunsosha-novels1940
文装舎
細田守監督のアニメ映画はまだ未視聴ですが、本は2度読んだことあります。
ラベンダーの香り、花言葉が「あなたを待っています」これを知ってると最後のエピソードでちょっと感心してしまいます。

筒井康隆
KADOKAWA
2012年6月25日
理科教室の掃除を任せられた和子は準備室で怪しい人影を見ました。不審に思って正体を確認しようとすると、焦った人影はガラス容器を落として消えてしまいます。
割れたガラス容器から漏れた液体はラベンダーの香りがして、和子はその匂いを感じ取った直後に意識を失って倒れてしまいます。謎の液体の匂いをかいでから、和子の周囲で不可解なタイムリープ現象が発生するように。
和子は自分の身に起きた不思議な現象を解明するべく、自らのタイムリープ能力を利用してあの理科準備室の真相を探りにいきます。
大人になって読み返しても面白いです。内容が分かりやすく大人から子供まで広く読み継がれるSF作品だと思います。ロングセラーとなっているのも納得。
事件の真相はすべてスッキリと解決しますし、時間軸が過去や現在を行き来しても話がシンプルなのが良い。時代背景的にも半世紀も前の作品とは思えない読みやすさです。
不本意にもこんな不思議な能力を身につけてしまった思春期の少女の動揺というのも見どころでしょう。
少女がただタイムリープするだけのSF小説かと思いきや、最後まで読むと未来人、集団催眠、淡い恋愛など、この短い話の中にずいぶんとドラマチックな展開が詰めこまれています。