ジキルとハイド|Stevenson, R.L
二重人格の代名詞となったジキルとハイド。彼のモデルは18世紀の高級家具職人組合長・エディンバラ市議会議員『ウィリアム・ブロディ』です。
権威ある立場の裏ではギャンブルの種銭稼ぎに夜盗をはたらいていました。そして家具師として自身で作った絞首台の初めての受刑者になっています。
この皮肉な顛末までもが本作のジキルとハイドの最期に重なるところがあります。
ジキルとハイド

Stevenson, R.L(著)
田口俊樹(訳)
社名
2015年1月28日
”悪”のほうは、清廉潔白な双子のかたわれの理想や呵責の念から解放され、堂々とわが道を突き進むことができるのではないか。”善”のほうは、すじちがいの”悪”がもたらす恥辱や後悔にさらされることなく、喜びの糧である善行を繰り返し、迷うことなく高潔の道を進むことができるのではないか。この相容れない二本の薪がひとつの束にくくりつけられていることこそ、人類の呪いなのではないか。
あらすじ
ある小男と少女が十字路でぶつかった際に、小男が少女を踏みつけてその場を去った事件。小男は示談金100ポンドを支払って済ませようとしますが、その小切手がロンドンで高名な人物ジキル博士の名で支払われたのが問題でした。
ハイドと名乗る邪悪な小男は、ジキル博士とどんな関係にあるのか。ジキル博士の生前遺言に、財産をすべてハイドに譲るとした内容に不信感をもった弁護士は、ジキルとハイドの真相にせまっていきます。
感想
140ページほどの中編小説。古い本にしては褪せない内容で、登場人物も少なく非常に読みやすい本でした。
ジキル博士の手記(独白)がたった4分の1も占めており、彼の切迫した思いや葛藤が鮮明に描かれています。彼の手記の中で最も印象的だったセリフに、その苦悩とこの物語の本質が凝縮されていました。
人は善人にも悪人にもなれるのだけど、そのどちらか一方になりきることができないジレンマが本作のテーマのようです。












