エッセイ

ツチノコ撮影日誌|今井友樹

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岐阜県に住んでいるので、図書館の特設コーナーで郷土資料を集めた企画等を見かけることがあります。ツチノコ撮影日誌は、岐阜の特集コーナーで偶然目にとまった一冊でした。

ツチノコをただの未確認生物として見るか、捕獲したら賞金100万円のロマンの対象と見るか。ツチノコとそれにまつわる文化に本気で向き合った著者(映画監督)の自伝エッセイです。

令和の「幻のヘンビ」伝説

ツチノコ撮影日誌

著者

今井友樹

出版

株式会社はる書房

刊行日

2024年6月15日

いま映画学校で「映像民俗学」を教えているのですが、民族に関する記録映画を民俗「学」と学にしていいのかどうか疑問がありますね。「学」としてしまうとその時点で型というか形式ができてしまう。民俗や習俗を記録するというのは、そうした型がないのではないかと思うんです。

今井友樹

概要

ツチノコの歴史は古く縄文時代から生息したといわれています。岐阜県高山市の飛弾民族考古館には6000年前のツチノコ形の縄文石器が確認されています。

本書では現代のツチノコの目撃情報や、生息地での民家のインタビューなどを記録した映画製作話となっていました。

ツチノコに似ている生物にヤマナメクジとアオジタトカゲが紹介されています。個人的にはアオジタトカゲの手足が隠れていれば想像のツチノコにそっくりなので、ペットで逃げ出したトカゲを見間違えた説が濃厚だと思っています。

また著者である今井監督の自伝も並行して、どうしてツチノコを題材にした映画を撮るのか、それらの背景をベースに自分がどのようにしてドキュメンタリー映画監督への道を歩んできたか、そしてどんな作品を撮ってきたかの話が語られていました。

感想

岐阜県東白川村では30年以上にわたって毎年ツチノコ捜索イベント「つちのこフェスタ」を開催しています。これを架空の生物を追うくだらない催しととるか、ツチノコにロマンを求めて楽しむ恒例行事ととるか。

参加者の多くは名古屋から来てることもあり、普段自然に触れない人たちの息抜きやリフレッシュのようなものが本質でしょう。私もつちのこフェスタに行ってきましたが、子供から大人まで楽しめる非常に良いイベントだと思いました。

つちのこフェスタに参加した私(探しています)

岐阜県以外、全国各地でツチノコの伝承があり、捜索イベントや催しが行われてきましたが、結局つちのこに対する熱量を維持できずに下火になっていくことが多いようです。東白川村がすごいところは村を上げて、それが数十年続いているということ。さらに村の名産品である檜とお茶もしっかりPRしています。

伝説となる物語には終わりがあってめでたしとなりますが、ツチノコの物語には終わりがなくそれがロマンを追い求める魅力になっているのかもしれません。

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