ビジネス教養地政学|奥山真司
地政学を戦略に活用するならば、道や要所をおさえてエリアを支配するのが効率的でしょう。国の存続に物流は欠かせないものとなっており、地理条件から経路が限られている要所をおさえるのが戦略です。
本書は地政学の中でも、とくに軍事的な戦略面にフォーカスした内容となっています。
ビジネス教養地政学

奥山真司(監修)
新星出版社
2020年6月13日
概要
地政学は地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考えるアプローチ。本書では特にアジア(中国VSアメリカ)、中東(イランVSアメリカ)、ヨーロッパ(EU・NATO VSロシア)の地理的な衝突から国のふるまいをマクロな視点で言及しています。
日本との関係国における情勢も気になるトピックが複数。なぜ北方領土問題が解決されないのか、沖縄米軍基地がいかに優れた拠点かといった解説がされています。
感想
アメリカと中国の関係、沖縄基地や北方領土の問題、中国の一帯一路、イギリスのEU離脱、香港デモなど、世界情勢の「なぜ」がよく分かる一冊です。カラー図解が豊富で、タイトル通りサクッと読み進めやすい易しい内容。
国際問題には宗教、民族問題、人種、歴史的対立などあって、地政学ではあくまでも地理を前提に、ビジュアライゼーションの概念で紐解いていきます。また、戦争における戦略概念には上位から順に世界観、政策、大戦略、軍事戦略、作戦、戦術、技術という階層があり、その中の上から3番目にあたる大戦略が地政学的観点です。
地政学に義理人情など一切なく、国益第一の領土や権力争いで殺伐とした話になりがちです。こうしてみると世界平和なんて耳障りの良い言葉も、それぞれの世界観、国、人、民族、宗教によって、そもそもどのような状態が平和なのかが異なります。人びとが自分たちに都合の良い平和を求めるからこそ絶えず争いがおこり、平和を求めることこそまた争いの種になっているのが皮肉な哀しい話です。











