ビジネス/実用

教養としてのブランド牛

bunsosha-novels1940

35年以上にわたって和牛の肥育を生業とし、自らもブランド牛を立ち上げた著者が、生産者ならではの目線も盛り込みながら、ブランド牛にまつわる知識と魅力を幅広く語っています。

世界に誇るブランド牛

教養としてのブランド牛

著者

石原善和

出版

幻冬舎メディアコンサルティング

刊行日

2023年8月28日

あらすじ/概要

日本のブランド牛のルーツから地域ごとの特徴、海外で愛される理由、海外の牛肉との違い、日本独自の肥育方法、等級の評価基準などブランド牛にまつわる知識が得られる一冊。

世界の人をも魅了する日本独自のブランド牛、明治以降に改良が重ねられ1944年に和牛の認定が確立。著しい和牛改良の伝説スーパー種雄牛が「田尻号(1939~1954)」です。産子数1500頭近く、全体の20%の170頭が種雄牛となり、日本の和牛改良に多大な貢献をしました。2012年全国和牛登録協会の調べによると、全国の黒毛和牛の繁殖雌牛の99.9%が田尻号の子孫であることが証明されています。

和牛は世界的にも個性が際立っていて、いうまでもなく霜降りが世界の牛肉の中では稀有なもの。日本独自の改良と肥育技術によって発展してきました。さらに欧米との食文化の違いなどからも、日本の和牛ステーキは特別なものとなっています。

感想/考察

牛のこと、牛肉のこと、等級や牛の呼称など基本的な知識が広く解説されています。

その上で著者の自伝的な側面も交えながら、ブランド牛の成り立ちや肥育技術などちょっと踏み込んだ話まで展開されています。著者が石原牛というブランド牛を保有していることもあって、本書からのPRを感じなくもないですが、牛のプロとしての内容は参考になって説得力もあります。

日本の和牛が世界的に見ても優れた技術と品質を有しており、それを誇りに思っているのが随所に表れていました。そのブランド力を維持していくことも農家の務めであり、我々消費者にも知っておくだけで意味があると訴えかけています。

SUB HEADING

HEADING

和牛と表示できるのは黒毛和種、褐毛和種、無角和種、日本短角種とこの4種間交雑種のみ。一方で国産牛に分類されるのは乳用種(主にホルスタイン)や、F1という乳用種と和牛を交配させた交雑種。

4品種あるがその98%が黒毛和種。黒毛和種はサシ(脂肪交雑)が入りやすいからです。つまり和牛=ほぼ黒毛和種といっていい。

また、日本三大和牛は神戸牛(兵庫)、松阪牛(三重)、近江牛(滋賀)、米沢牛(山口)です。近江と米沢は同列。これらは世に名前が知られてからの長い歴史があり、300以上のブランド牛の中でも群を抜いています。

等級のABCは量の判定で味に関係ありません。歩留等級と肉質等級は枝肉の第6~第7肋骨間ロース芯の切断面で判定します。部分肉歩留が標準ならB、それより良いならA、劣るならCです。一般的に和牛でBやCになるケースは少数で、9割はAランクになります。

肉質等級は「脂肪交雑」「肉の色沢」「肉の締まり及びきめ」「脂肪の色沢と質」の4項目それぞれ5~1段階で評価して、その中の最低ランクがついた項目に準じて肉質等級が決定します。つまり5等級はオール5でないとつかない評価であり、一つでも低い評価項目があるとそれに引っ張られて全体の肉質等級が低くなります。

部分肉歩留が標準ならB、それより良いならA、劣るならCです。もっというと枝肉から骨などを取り除いた大きな肉の塊、部分肉といい、さらに余計な脂やスジを取り除いたものが精肉です。枝肉の70%前後が部分肉、部分肉の80%前後が精肉になります。Aなら72%以上、Bは69~72%未満、Cは69未満です。仮に枝肉500㎏なら、部分肉は350㎏前後、精肉は280㎏前後の計算になります。つまり食肉として利用できる割合が多いかどうかの評価となっています。しかし一般的に和牛でBやCになるケースは少数で、9割はAランクになります。

肉質等級は「脂肪交雑」「肉の色沢」「肉の締まり及びきめ」「脂肪の色沢と質」の4項目それぞれ5~1段階で評価して、その中の最低ランクがついた項目に準じて肉質等級が決定します。つまり5等級はオール5でないとつかない評価であり、一つでも低い評価項目があるとそれに引っ張られて全体の肉質等級が低くなります。このことから、肉質等級も見た目を判断しており味自体は評価していないことが分かるでしょう。格付けは試食ではなく見た目の評価でしかないのでA5が美味しい肉とされてるわけではありません。とはいえその評価が味に比例してるのもほぼ事実なので、評価の高いものが美味しい可能性は高い。
肉質等級にはさらに脂肪交雑の評価に特化したB.M.S.(ビーフマーブリングスタンダード)が定められており、12段階で5等級はNo8~No12に該当。しかしこのNo8とNo12では相当な違いがあるので、同じ5等級でも脂肪交雑の差が大きいことがわかります。
さらなる差別化のポイントとして脂の質の向上、不飽和脂肪酸の含有量が注目されていまする。脂が溶け出す温度の融点が下がり口どけの良い、しつこくない脂になどが好まれるようです。

ONLINE STORES

この本が買えるサイト

Amazon
kindle
楽天
Kobo
Yahoo!ショッピング
honto
ABOUT ME
記事URLをコピーしました