
【コーヒーの絵本】あなたにとっての美味しいコーヒーが分かる絵本
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庄野雄治
旅行会社に勤務の後、2004年に5キロの焙煎機を購入しコーヒーの焙煎を始める。2006年、徳島市内に「aalto coffee (アアルトコーヒー)」を開店。現在は、「aalto coffee and the rooster」と店名を変え、コーヒーの焙煎をしながら、レーベル「Hemisphere」を立ち上げ、リトルプレスやCDをリリースするなど活動の幅を広げている。
この絵本を初めて見かけたのは、私が北海道に住んでいた頃のとあるカフェでした。その時にパラパラと読んで「意外と内容しっかりしてるな」と思っていました。
それ以降もカフェでこの絵本を見かけることが度々あり、かなり評判の良い本なのだということを知りました。
ただの絵本と侮るなかれ。美味しいコーヒーを求めるなら、最初の一冊におすすめのコーヒー入門本です。
美味しいコーヒーってなんだろうという疑問に答える絵本。「美味しい」は人それぞれ違う主観的なものですが、その前提を踏まえてまず正しいコーヒーから、それぞれの「美味しい」の求め方を指南してくれます。
豆の産地や銘柄も大事ですが、まずは基本的な知識があったほうが間違いなく美味しいコーヒーが飲めます。
はじめにコーヒー選びで最も大事なことは鮮度。次に挽きたてであること。三つ目に好みの焙煎度を探ることです。
豆の挽き具合でも味は変わるが、中挽きを起点に探ると好みがわかります。 水は軟水であれば大丈夫。道具選びは無理をしないで、生活にあるスタイルで、コーヒーメーカーなりドリップなり自分に合うものを選びましょう。
紹介されているペーパードリップのレシピは以下の通り。
- 豆 14g
- 水 180ml
もし2杯以上ドリップするなら1杯ごとに豆を10g追加して、水の量は出来上がり量で計算しています。さらに湯の注ぎ方や、ドリッパーを外すタイミングなども丁寧に描かれていました。
最後になにより大事なことはコーヒーは自由に楽しむこと。 ブラックが一番ではなく、ミルクを入れたり、アレンジしたり。 酸味や苦みが気になるならお湯を少し足したり。「コーヒーとはこういうものである」といった固定観念や誰かの情報にとらわれると楽しめなくなってしまいます。
誰かが美味しいというコーヒーではなく、自分の中に美味しいと思えるコーヒーの基準を探っていくのがコーヒー楽しみです。 嗜好品だからこそ、豊かに楽しむため、丁寧に向き合ってみましょう。
ちなみに同シリーズに紅茶の絵本もあります。