ボッコちゃん
2023-08-05

【ボッコちゃん】どんなに読書が苦手でもショートショートなら読めるでしょ!

著者出版
星新一新潮文庫:1971/05/25

星新一ショートショートのシリーズ作第1冊め。

あらすじ

本記事では50本の内の一作、表題作「ボッコちゃん」を取り上げています。

女性ロボット誕生。バーのマスターが趣味で作った、美しいロボット「ボッコちゃん」

見た目は人間そっくりだが、できるのは簡単な受け答えと、酒を飲む動作だけ。客は新しい女の子が入ったと思うが、まともな話し相手にはならない。

お酒はいくらでも飲めるから注文入れてもらえるし、さらにロボットのタンクから回収したお酒を提供して再利用できるからマスターにとっては良い商売だ。

しかしボッコちゃんに本気で熱をあげてる青年があらわれ、彼がお店で問題を起こし――。

感想・書評

この本はだいたい1編あたり5~6ページ程度の物語が50編収録されています。本1冊あたりでは300ページを超えるものの、短く区切りがつくのでどんなに集中力がなくても読み進められるでしょう。

表題作のボッコちゃんは、たった6ページの中に流れるような展開と綺麗な落ちをつけています。話を短くまとめるためにも無駄がなく、非常に洗練された印象を受けました。

表題作になっていること、そして星新一の1000を超える作品の中でも代表的なものであることにも頷けます。

50編どの話もユーモアや風刺のきいた、たった数ページのショートショートとは思えない読みごたえがあります。ミステリー、寓話、SF、ファンタジー、童話などバラエティにも富んでいて、飽きることなくサクサクと最後まで読み切れるでしょう。

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