#16 御書印巡了の旅「春日井市・瀬戸市編」ツキネコノート・本 ひとしずく
愛知県北部の個性派書店2店の紹介です。ブックカフェとして地域を巻き込みながらイベントを仕掛けるツキネコノート、店主の審美眼が光る圧倒的なセレクトブックスの本ひとしずく。
どちらも期待以上の書店で、新たな出会いや活動のきっかけにもなりました。
私が住む岐阜県美濃加茂市からもギリギリふらっと行ける範囲(片道1時間)です。
御書印は対象店舗で300円支払えば捺してもらえますが、せっかくならば御書印の趣旨に則って、できる限りその書店とのご縁にちなんだ本を購入していきます。
- 必ず本を1冊以上購入する
- できればその土地や本屋に縁のある本を選ぶ
- 自分が読みたい本を選ぶ
とくに大型書店はその書店ならではの特色を抽出しにくいので、あくまでも自分が読みたい本の範囲に限ったゆるいルールでスタートします。
ツキネコノート

コーヒー、本、アートを通じて人をつなぐ春日井市のカフェ。
ブックカフェの中でも変わった営業スタイルで、とくに地域の人やシェア本棚のオーナーを巻き込んだ働きかけが印象的です。
店主の人柄が良く、後述しますが私が初めてシェア本棚の棚主になる決め手になったのも、このお店だったからです。

カウンターの天井部に並べられたお店の本たち。デッドスペースを活用した見せる本棚が良いですね。
お店では定期的にイベントやワークショップが開催されており、ツキネコノートが目指す「街のみんなでつくる共創型ブックカフェ」を実践されているようです。

2階はギャラリーやワークショップに使えるレンタルスペースです。個展、教室、セミナーなど多目的に利用できるそうです。
2階に上がる階段の幅が狭く急なので気を付けて上がってもらうと、白い壁に囲まれた静かな空間になってます。

ツキネコブレンド 550円に、トースト、サラダ、目玉焼き、プチカステラがサービスです。人気No1のはちみつシナモントーストにしました。

+250円でミネストローネかクラムチャウダーを追加できます。どちらも飲みましたが、朝にホッとする美味しいスープでした。
ケーキセットやパフェなどスイーツメニューも充実しています。

そしてテーブル席の奥にある巨大な棚がシェア本棚で、この棚の一つ一つに棚主が思い入れのある本や作品を置いてます。
本の販売だけでなく貸し出しも行っており、本に挟まれているスリップを見て販売か貸出かと値段を確認します。

印象的だった本棚をいくつか紹介します。どの本棚も棚主の思い入れがあったり、読んで欲しい本を置いてるので、ぜひ実際に行って見てもらいたいです。
銀狐亭さんの棚で、文庫本にカバーをかけておみくじでランダムに販売する楽しい試みです。私も1本くじを引いたところ下町不思議町物語という本が出ました。
全く知らない本でも自分で選んだら手に取るはずがなかった新しい出会いになり、知ってる本なら読む機会を得て、既読の本なら運命的な出会いになる。何を引いても面白い本棚くじでした。

最近流行りの編み物を棚に置いてる人をちらほら見かけますが、こちらは作品と本まで編み物づくし。編み物でできたダルマがころころして可愛いです。


オリジナルグッズのマスコットと本を販売するみどりねこさん。こちらの棚限定か最初の数個限定か、1個500円となっていました。絶対に原価割れしてそうな価格な気がする。
可愛くてクオリティ高いので1匹お持ち帰りしました。

そして後日私もツキネコノートの棚主になりました。通常の本の販売ではなく、文庫本をハードカバーに製本したリメイク文庫を販売しています。
詳しくは以下の記事で書いてるので、ぜひお近くの方は寄ってください。


ツキネコノートのまほう

みすこういち
三恵社
2025年6月30日
ツキネコノートのイメージキャラ「ツキネコちゃん」をモデルにした絵本。ツキネコノートが、一杯のコーヒーが、人の心を励ます様子を物語にした、ツキネコノートのための絵本です。
ちなみに作者の見須さんがこのツキネコノートの店主で、この日にサインももらってきちゃいました。

どんなにきみがすきだかあててごらん

レア御書印の青スタンプきました!お店のキャラ「ツキネコちゃん」がそのままスタンプになってますね。

御書印と一緒にわざわざなんの本から引用したメッセージか説明してくださいました。スタンプをポンと押して終わりではなく、なにか一言あるだけでも強く印象に残ります。
ちなみに御書印の由来を説明してくださったのはこのツキネコノートと、岐阜県美濃加茂市のHUT BOOKSTOREだけです。それ以外はほとんど自分で調べています笑
本・ひとしずく

築100年以上の古民家の入り口から土間になっている情緒あふれる書店。
お店に入ると小上がりのちゃぶ台で、店主のかたが経理の仕事をしながら、お弁当を食べていて少し驚きました。昭和の名残ある駄菓子屋で買い物をするような気分です。

主に新刊書籍がメインで、一部シェア本棚や古本もありました。2階はレンタルスペース(ふたしずく)になっているそうです。
書店未経験だった店主が人生の折り返しを機に辿り着いたこの古民家で、クラウドファンディングなどを通じて2021年にオープンしたそうです。

絵本、詩集や短歌、戦争関連の本屋、フェミニズムに関するものなど、よく見ると充実したジャンルがあったりします。
私がここで購入した本もずっと探していた歌集でした。

店舗奥には冷蔵庫を書棚にしたユニークな陳列。しかもこの一角はすべてレシピ本や料理エッセイなど食にまつわるものばかり。

これだけ色々な本屋を巡っていると、シェア本棚に知っている屋号もちらほら見かけます。

天井に異質な本が一冊。
日々いしにつまずく(やまだひろむ 著)すべて手仕事による一冊で、買う人が価格を決める本。欲しいと思ったら希望の価格を伝えてレジに持っていくそうですが、これを買うのかなり勇気がいりませんかね。自分自身の器を試されているような気分です笑

そして今回購入した本が木下龍也のオールアラウンドユー。以前各務原のマーケット日和で見かけて買わなかったものの、数日たってからやっぱり全部読みたいなと後悔していました。
電子書籍などAmazonですぐに買えるけど、なんとなくその本に出会った時のような偶然性に任せて買いたかったので、ずっと探していました。
ここは他にも気になる詩集をたくさん置いています。
オールアラウンドユー

木下龍也
ナナロク社
2022年10月7日
その場では買わなかったものの、後になって思い出してやっぱり買おうとした本は初めてかもしれません。
特に印象的だった一文。
『雨、ぼくはぼくよりも不憫なひとが好きで窓から街を見ている』
この小さな優越感に共感できる人はけっこういるのではないですか?

金子みすゞ『このみち』

金子みすゞさんの詩「このみち」からの一節ですね。
このみちのさきには、なにかなにかあろうよ。
みんなでみんなで行こうよ。
このみちをゆこうよ。
本・ひとしずくが書店として始まるまでの店主のインタビュー記事を読んで、あくまでも勝手な想像ですが、金子みすゞのこの詩が背中を押す形になったのではないかなと思います。











