#9 御書印巡了の旅「名古屋市熱田区編」TOUTEN BOOKSTORE
今回訪れた名古屋市熱田区の書店「TOUTENBOOKSTORE」は、名古屋市内でもファンが多いと思われる書店な気がします。
名古屋の書店で「御書印めぐりをしてるんです」と話すと「TOUTENさん行った?」と聞かれることが何度かありました。私自身この御書印めぐりの1回きりしかまだ行ってませんが、その時にすっかりこの書店の魅力に引き込まれました。
御書印めぐりで自分に課しているルールに必ず本を1冊以上購入することとしていますが、本3冊に加えてコーヒーとスイーツまで買いました。滞在時間も3時間弱とかなり長居したと思います。
御書印は対象店舗で300円支払えば捺してもらえますが、せっかくならば御書印の趣旨に則って、できる限りその書店とのご縁にちなんだ本を購入していきます。
- 必ず本を1冊以上購入する
- できればその土地や本屋に縁のある本を選ぶ
- 自分が読みたい本を選ぶ
とくに大型書店はその書店ならではの特色を抽出しにくいので、あくまでも自分が読みたい本の範囲に限ったゆるいルールでスタートします。
TOUTEN BOOKSTORE

金山駅から南に向かって徒歩10分弱、沢上商店街にある書店。選書センスの良さや独自の品揃えから、セレクトブックショップともいわれます。
この書店にどうしてか強く惹かれる、目を奪うような本が多く並んでいること、その理由が経営理念によって体現されているように思うので紹介します。


TOUTENBOOKSTOREでは訪れた人の視野にないような情報を与えたり、知的好奇心をわかせる場所を提供するという理念を掲げています。インターネットで物も情報も手に入るこの時代だからこそ、無意識の選択ではなく能動的な選択や運命的な出会いを感じられる場所の価値が高まります。

読点は文の切れ目に使う記号で、文章の整理やテンポのために使われます。本屋がまるでその読点のような役割を担えたらという想いに、TOUTENBOOKSTOREの由来があるそうです。

本を購入したポイントカードがたまると、ドリンク1杯の無料チケットとして使えるのですが、何人もの客が寄付していったものが柱に貼り付けられていました。
だれでもどうぞとのことなので、1枚使わせてもらいます。私のポイントカードもたまったら寄付していきますので。


1回にベンチ席があって読書できますが、2階はテーブルもあってドリンクを飲みながら本を読めます。コーヒーはフリーチケットをありがたく使わせていただいたので、クッキーを買って一息つきました。静かな店内で落ち着きます。
ちなみにコーヒーは名古屋のスペシャルティコーヒー専門の超名店Q.O.L COFFEEの豆を使用しているようです。

また、2階のスペースではイベントや展示が行われていることがあり、ホームページを見る限り常に何かしら開催されている印象です。
私が訪れた日は群馬県桐生市の美術家・音楽家の唐澤龍彦さんによる個展でした。ユニークなイラストに、どこか不安を感じるけど可愛らしさが共存するような独特なタッチの絵だと思います。偶然知ったクリエイターでしたが、この一瞬で好きになりました。

これらの作品に著者自身が記したタイトルとコメントのセンスが秀逸でした。
絵は気軽に買えるお値段ではなかったので告知用のポストカードだけ持ち帰り部屋に飾りました。いずれイラストも買えたらなと思っています。
ふらりと御書印のために入った書店で、本を選ぶのに2時間以上かかり、無料でコーヒーを飲み、知らなかった作家に出会い気に入る。このたった1回の来店でも濃密な時間だったので、非常に印象に残った本屋の一つでした。
就職しないで生きるには

レイモンド・マンゴー
晶文社
2025年5月26日
労働は義務ですが、就職はそうでもないですよね。私自身、雇用されて働くことがあまり性に合っていない気がして悩むことがありました。仕事や生活は悩みが尽きないものなので、何か自分の中で考え方の指針となるきっかけが見つかることを期待した本です。

製本と編集者 1・2

文庫本をリメイク製本するときに表紙を剥す作業があるのですが、まだ読める綺麗な本を壊す行為になります。なんとなく罪悪感もあったのですが、結局のところその本に対する気の持ちよう次第です。
本の内容をより深く理解したり覚えるためにマーカーを引いたり折り目をつけたり、いつでも読みたいから常に持ち歩いてボロボロになったり。私はその本により特別な愛着を感じたり、長く保存できるようにしたいので上製本に製本しなおします。
この製本作業に伴うある種の痛みのようなものを表した文章がちらりと見えたので、1・2巻合わせて購入しました。現在3巻もあるようですが、なかなか希少な本なのか全然見かけません。出版社の営業職と製本屋による個人出版レーベル「十七時退勤社」の本です。
参考記事うもれるデスクで聞いてみた 出版社営業の橋本さんがZINEと出版レーベルをつくったわけ ~『うもれる日々』発売&十七時退勤社創立記念
歌人 小坂井大輔

生活に呼吸をいれる
読点のような
本屋のなかの足取り
名古屋出身の歌人小坂井大輔による言葉。名古屋に短歌の聖地と呼ばれる町中華のお店を構えるかたで、以下の記事が参考になります。











