2024-09-09

【鬼速PDCA】目標達成したい全ての人必携のビジネス書

著者出版
冨田和成
(株式会社ZUU代表取締役社長兼CEO)
クロスメディア・パブリッシング:2016/10/21

PDCAマネジメントの決定版となる10万部突破のビジネス書。

実行するときは自信満々で。検証するときは疑心暗鬼で。これがPDCAの基本である。

1章 前進するフレームワークとしてのPDCA

概要

わかっているようで、実はよく理解されていないビジネスフレームワーク『PDCA』

特に重要なことは適切な計画、検証頻度、実行サイクル。これらを鬼速でまわすから、ほかよりもいっそう飛び抜けたスピードで前進できるのです。

前進するフレームワークとしてのPDCA

世間が抱くPDCAには6つの誤解がある。

  1. PDCAの真価を発揮するのは容易でない
  2. 管理職向けのフレームワークではなく成長スキル
  3. 失敗は検証の甘さより計画から破綻してる
  4. 課題解決より再現性が重要
  5. 改善して終わらずさらに上位のサイクルを回す
  6. 大きな課題だけでなく複数のサイクルを抱える

実現したい目標の上流から細分化して、それぞれにサイクルが存在するようなイメージが本来のPDCAサイクル。

ギャップから導き出される「計画」

PDCAの計画においては慎重さと大胆さのバランスが肝要で、その時点で可能な限り精度の高い仮説を立てる。

  1. KGI(Key Goal Indicator)の設定
  2. 期日を決めて目標を定量化
  3. 現状とギャップの洗い出し
  4. ギャップを埋める課題を考える
  5. 課題に優先度を与えて3つに絞る
  6. 各課題のKPI(Key Performance Indicator)の設定
  7. KPIを達成する解決案を考える
  8. 解決案に優先度を与える

KPIを掲示したり計画を可視化して、計画を強く意識付けすると効果的。

仮説の精度を上げる「因数分解」

サイクルの速さと深さは因数分解で決まり、これには仮説精度の向上が欠かせない。ゴールと現状を構成する因子をマインドマップで図式化する。

ポイントは抽象度を上げてから分解していき、5階層目まで深堀りしていく。特に1段目は漏れなく重複なく分類するためのMECE(ミーシー)を徹底。

確実にやり遂げる「行動力」

計画から導き出したKPI解決案を業務フローに落とし込み「Do」と「ToDo」に振り分けていく。

「Do」が解決案に対するアクションで、それをすぐに取り掛かれるタスクにしたものが「ToDo」である。

  • 「Do」に優先順位をつける
  • 「Do」を定量化してKDI(Key Do Indicator)を設定
  • 「ToDo」に落とし込んで具体的なタスクとして着手できるレベルにする

鬼速で動くための「タイムマネジメント」

居心地の良いコンフォートゾーンを抜けて、キャパを超えるほどのパニックゾーンまで行かない程度の、ラーニングゾーンで適度なストレスをかけながらタイムマネジメントをしていく。無理はしないがぬるい環境には甘えない成長意欲が試される。

タイムマネジメントの原則は「捨てる」「入れ替え」「圧縮」の順番で工数の棚卸をする。

正しい計画と実行の上に成り立つ「振り返り」

検証に失敗する2大パターンは「やりっぱなしの未検証」か「検証しかせず形だけ」の両極端。PDCAの要諦だと思われる部分だが、計画の精度が甘くKPIもないとまともな検証にならない。

  • KGIの達成率をKPIの進捗率から算出(月1回)
  • KPIの達成率はそれぞれ1~3週間の短期スパンで繰り返す

KPIが計画通り推移しない4大原因は「行動が伴ってない」「行動不十分」「想定外の課題」「仮説と因果関係が間違いKPIとKDIの連動がとれていない」

検証結果を踏まえた「改善」と「伸長」

  1. ゴールレベルの調整が必要
  2. 計画の大幅な見直しが必要
  3. 解決案、Do、ToDoレベルの調整が必要
  4. 調整の必要がなく継続

それぞれの調整項目は「中止」「変更」「追加」のどれかにあたる。

チームで実践する鬼速PDCA

週に2回各30分の半週ミーティングで課題を洗い出し密度のある会議にする。会議の時間は短く頻度を多めに。

進捗管理は可視化してチームで共有できるようにする。説明の手間が省けて、予定を周知させるため責任も感じられ、メリットが多い。

感想・書評

PDCAにおける重要なフェーズ「計画」と「実行」が初級・応用に分けて解説されています。まずは初級のステップだけで実践し、マネジメントに慣れてきたら応用も取り入れることができそうです。

また、本書では『優先順位』という言葉が多用されており、とくにIT業界の開発用語『アイスボックス』をToDoにも応用し、いつかやるけど今やることではないものをタグ付けして管理しています。先送りすることは悪いことではなく、タスクを可視化して留保する手段として活用しています。

それぞれのマネジメント段階で補足も添えられており、解りやすく丁寧なハウトゥー本だと思いました。PDCAサイクルを実際に回していく説明に並行して、英会話修得やダイエットなど実例を交えているのも理解の助けになります。

本書ですすめられたマネジメントツールは主に2つ。思考の整理に用いるロジックツリーやマインドマップが作成できるXmindと世界一メジャーなタスク管理ツールTodoistのみ。どちらも無料で十分使えるソフトです。
※タスク管理は古典的なポストイットでも効果的だと書かれている。

PDCAそのものはシンプルなフレームワークで、必要とするツールも最低限で済むが、シンプルゆえに適切な運用をしないと効果が十分に検証されてないことが分かりました。

まとめ

  • Plan
    KGI(ゴール)とKPI(課題)を設定して解決案を出す
  • Do
    解決案を具体化したDoからKDIを設定して、即行動できるレベルのToDoに分解
  • Check
    KGI、KPI、KDIの検証をして、できなかった要因とできた要因を絞り込む
  • Action
    検証結果を踏まえた調整案で次のサイクルにつなげる

経営者や中間管理職などビジネスマンから、個人で仕事や勉強の目標を打ち立てている人、他者のサポートを主とした業務に従事するかた必携の一冊です。

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