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【ボッコちゃん】どんなに読書が苦手でもショートショートなら読めるでしょ!

星新一ショートショートのシリーズ作第1冊め。芸人のカズレーザーが帯になっていたのをきっかけに、なんとなく読み始めました。

ショートショートというジャンルを開拓され、これが非常に読みやすく、なんとミリオンセラー文庫が18点もあるようです。普段本を読まない人でも気軽ん手に取りやすいかと思います。

星新一

1926年9月6日、東京生まれ。本名は星親一。1957年にSF「セキストラ」でデビュー。 短編よりさらに短いショートショートを得意とし、代表作に「ボッコちゃん」「おーい でてこーい」「処刑」「午後の恐竜」など。日本SF作家クラブ初代会長に就任。1983年にショートショート1001編を達成。

あらすじ

本書では50本のショートショートが収録されていますが、その中から表題作「ボッコちゃん」を取り上げます。

バーのマスターが趣味で作った美しいロボット「ボッコちゃん」

見た目は人間そっくりだが、できるのは簡単な受け答えと、酒を飲む動作だけ。客は新しい女の子が入ったと思うが、まともな話し相手にはなりません。

ロボットなのでお酒はいくらでも飲めます。注文はたくさんいれてもらえるし、さらにロボットのタンクから回収したお酒を提供して再利用できるからマスターにとっては良い商売です。

しかしボッコちゃんに本気で熱をあげる青年があらわれ、彼がお店で問題を起こします――。

書評

この本はだいたい1編あたり5~6ページ程度の物語が50編収録されています。本1冊あたりでは300ページを超えるものの、短く区切りがつくのでどんなに集中力がなくても読み進められるでしょう。

表題作のボッコちゃんは、たった6ページの中に流れるような展開と綺麗な落ちをつけています。話を短くまとめるためにも無駄がなく、非常に洗練された印象を受けました。星新一の1000を超える作品の中でも代表的なものであることも頷けます。

50編どの話もユーモアや風刺のきいた、たった数ページのショートショートとは思えない読みごたえがあります。ミステリー、寓話、SF、ファンタジー、童話などバラエティにも富んでいて、飽きることなくサクサクと最後まで読み切れるでしょう。

ボッコちゃん

¥781

ボッコちゃん
星新一

著者が傑作50編を自選。SF作家・星新一のシリーズ第1作。